社会科学習指導案(地理的分野)

 

日 時  平成19年1月23日()    第6校時

対 象  1年A組(男子13名 女子11名 計24)

指導者  教  諭  萩  原  ()秀  一  郎

 

1 単 元 「身近な地域を調べよう」

 

2 単元の考察

   地域の規模に応じた調査では,地域的特色をとらえる視点や方法が地域の規模に応じて異なってくることに着目する。そこで実際,三つの規模の地域を取り上げて地域的特色を追究する調査活動を通して,自らの力で地域的特色をとらえる調べ方,学び方を身に付けさせることを主なねらいとしている。このねらいを達成するために,「身近な地域」「都道府県」「世界の国々」と構成する。その一つである本単元は,身近な地域における諸事象を取り上げ,観察や調査などの活動を行い,生徒が生活している土地に対する理解と関心を深めさせるとともに,市町村規模の地域的特色をとらえる視点や方法,地理的なまとめ方や発表の方法の基礎を身に付けさせることをねらいとする。また,学校所在地の事情に踏まえて観察や調査を指導計画に位置付けて実施しながら学習する。本単元では,このような地域の多様性に気づかせるとともに,さまざまな地域的特色を多面的・多角的にとらえさせることで,地域での「かかわり」を創出するきっかけを与えられると考える。そして,そのきっかけのひとつが広い意味で地域学習にもつながると考える。

   生徒は,本校,全教科で行われた学習に関するアンケートの結果によると社会科の授業に対しては楽しいと感じている生徒は,70%。やや楽しいと感じている生徒は,26%。あまり楽しいと感じていない生徒は,4%であった。また,社会科の授業理解のため予習・復習をしている生徒は,49%,ややあてはまる34%,あてはまらない17%であった。これらの結果から生徒は学習に対して比較的意欲的に取り組んでいると考える。しかし,自分の考えをまとめる作業や物事を整理して調べ書くという作業になると苦手意識を感じている生徒が多い。また,薩摩川内市の市町村合併後の生活に関するアンケートの結果としては,旧川内市のときと生活はほぼ変わっていないと感じている生徒が大多数を占めた。新しく何が変わったかと感じている質問内容に対しても,特になしが大多数であった。これらの結果からも新しく誕生した薩摩川内市に対して生徒は,旧川内市のイメージのまま,日々日常生活を過ごしていることが分かった。

   指導にあたっては,本単元で扱う内容が広領域にわたることに留意しなければならない。身近な地域は,生徒が生活舞台にしている地域であり,学習対象を生徒が直接経験できるといった特有を有している。それだけに,この単元では,地理的事象を見いだし,事象間の関連の発見過程を体験し,地理的な追究の面白さを実感させる体験的,作業的な学習を通して,生徒が生活している地域に対する理解と関心を深めさせ,その発展に努力しようとする態度を育てることをねらいとしたい。また,身近な素材を積極的に教材化していきながら,生徒の「問い」や「気づき」に対しても教師側の方から揺さぶりながら授業を展開していく。そうすることで,身近な地域に対して多面的・多角的な見方・考え方を育成する手立てができると考えた。

 

 

3 単元の目標

 () 身近な地域の発展に努力しようとする態度を育てる。

(2)       地域的特色をとらえ,地理的・社会的事象を自ら見いだす能力を培う。

 () 市町村規模の地域的特色をとらえる視点や方法,地理的なまとめ方や発表の方法の基礎を身につけさせる。

4 単元の指導計画(全9時間)

題材

主な学習内容

配当

地域をながめて

●身近な地域の地形図を活用し,縮尺・等高線・地形図の記号などの読図に必要な基礎的知識を身につける。

●地形図の表現と実際の景観と比較することにより,読図力を養う。

調査に出かける前に①

『身近な生活』から見える租税教育~薩摩川内市のまちづくり~

●他の市町の広報誌を通して,薩摩川内市に興味を抱かせ,地域的特色に気づく。

●税について意識させ,薩摩川内市のまちづくりに興味をもたせる。

●薩摩川内市に関する資料(広報薩摩川内等)を眺め,薩摩川内市の特色について関心をもつ。

本時

調査に出かける前に②

●グループで,調査テーマ設定及びテーマ解決に向けての準備を行う。

調査活動,調査テーマを解決していこう

●各グループで,調査活動,まとめ作業を行い,調査テーマを解決していく。

●新聞・ポスター・OHP・プレゼンテーションソフトなどから,適切な方法を選択する。

●発表会の進め方を,班の代表・発表担当者で話し合って決めていく。

●発表会に向けて各グループ事前練習を行う。

発表会をしよう

●各グループの発表を通して,情報の共有化,問題意識の共有化に努める。

未来の薩摩川内市

●市民が創り,市民が育む,交流躍動都市に必要なものは何か考える。

 

5 本時の実際(3/9)

(1)       主 題 「『身近な生活』から見える租税教育~薩摩川内市のまちづくり~」

(2)       本時の目標

ア 各市町の広報誌や租税に関連した事項を通して,自分が住んでいるまちに興味を抱かせる。【関心・意欲・態度】

イ 身近な資料から薩摩川内市の地域的特色を多面的・多角的に考察させる場とする。

【思考・判断】

ウ 租税について意識させ,薩摩川内市の特色について気づかせる。【技能・表現】

 

(3)       主題の考察

   薩摩川内市は,平成16年10月12日,川内市,樋脇町,入来町,東郷町,祁答院町,里村,上甑村,下甑村,鹿島村が合併した新しいまちである。市民憲章には,「美しい自然と,古い歴史を誇りとするわたしたち薩摩川内市民は,やさしくすれば,心はかよう。はなしをすれば,だれでもわかる。考えさえすれば,みちはひらける。やりさえすれば,かならずできる。という信条をもって明るい豊かなまちをつくります。」と宣言している。また,市章においても,デザインの趣旨として,薩摩川内市の頭文字のSと川内川の形状を組み合わせている。市章の色の緑の部分は,田園と山々の自然のやすらぎを,青の部分は,海,川,湖など水のうるおいを表す。広い面積を有する薩摩川内市が一体となって地域力・都市力を発揮し,明るい未来に向けて力強く躍動する姿を表している。これらからも分かるように新しいまちづくりを築き始めている薩摩川内市のまちづくりの姿が見えてくる。

生徒は,事前アンケートによると自分達が住んでいる平成校区に対しては,好き82%,いいえ4%,どちらともいえない14%であった。薩摩川内市は住みやすいまちですかという問いにたいしては,はい60%,いいえ4%,どちらともいえない36%であった。理由と挙げられたのは,はいの生徒については山や森,川など自然がたくさんある。店もたくさんある。人々がやさしい。充実した建物があるということであった。逆に,いいえ,どちらともいえないの生徒の理由には,ごみが落ちている。空気がよごれている。川が汚い。ごみの分別が面倒。危険な建物があるということだった。また,将来,薩摩川内市に住みたいですかという問いに対しては,はい36%,いいえ9%,どちらともいえない55%であった。これらの結果から生徒は,自分たちが住む校区に対しては,豊かな自然環境のもと住んでいてあまり不便さを感じず,地域の人々の温かさ優しさを受けながら生活していることが分かった。一方,平成校区から薩摩川内市全体へと視点を変えた場合,まだまだ生徒にとって理解,把握をしていないこともあり,自らの考えをまとめきれていない生徒も多いことが分かった。また,生徒は,身近な所で感じていること,表面的な問題に対しては興味。関心を示していることも分かった。

本校は,平成18・19年度鹿児島県の租税教育の委嘱校に指定されている。本県の租税教育の基本的な考え方は「租税に関連した事項を通して郷土について関心を高め,公民としての資質を身につけ,国家及び社会における権利と義務の主体者として,自主的に判断し行動するための諸能力を育てる。」ことにねらいを置いている。

そこで,本時を展開するにあたっては,身近なところで使われている税を意識させながら租税に関連した身近な素材を積極的に教材化していく。その一つがごみの収集の仕方及び広報誌である。しかし,薩摩川内市だけの教材では物事を多面的・多角的な見方・考え方が不十分である。そこで,他のまちとの比較を通して租税の使われ方,まちづくりを比較しながら,自分たちが住んでいる薩摩川内市の地域的特色・租税に対して興味・関心を高めていきたい。また,身近な教材を通して生徒の「問い」や「気づき」に対しても教師側の方から揺さぶりながら授業を展開していきたい。

 

(4)       本時の展開

別紙参照

 

 () 評価

  ア 各市町の広報誌や租税に関連した事項を通して,自分が住んでいるまちに興味を抱くことができたか。

【関心・意欲・態度】

  イ 身近な資料から薩摩川内市の地域的特色を多面的・多角的に考察できたか。

【思考・判断】

ウ 租税について考え,薩摩川内市の特色に気づくことができたか。

【技能・表現】